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【日本語バージョン登場】 2015年1月22日から 1日1ページ、毎日登載 

妄念の滅び

第一章   寒い春
 
心においてる喜びを隠されることができない、もしくは悲しみ。喜び気持ちが言い過ぎ言葉で判決されたように、悲しい意念が強がり笑う顔から逃がされた。
 
あそこは海景が見える丘の中腹というところである。神戸港における船の煙や汽笛というものが通常のように漂っているし、偶には巨大なアメリカ船がヤードで泊まっている風景も見えます。瀬戸内海に漂う漁船や接駁船などを見れば四国のか本州のかはっきり判断できませんが、数十キロから響いた船の機械の稼動の音も聞こえます。三宮から学校へ歩いて大よそ一時間かかり、でも、学校から三宮へい戻れるとわずか四十分間です。神戸の地形が長い坂で、背面が六甲山である。昔なら、学校へ行く道で振り向けば、多くのカーキ色の制服を身に着けた生徒たちが何回でも繰り返した道を歩く風景が見えます。しかし、今朝この道でなんといえない孤独だと感じて、まるで一人ぼっちこの道に歩き、僕の鼻から吐き出した水煙が青白き空気にあふれ、脈動の音を伴ってぐるぐるとして耳に回し、何となく自らの速度を落とさせ無意識のうちに履いた新しい靴をこっそり注意している。
 
昭和12年(1937年)三月十日、兵庫県立第一中学校の卒業式会場の外に、初春のなごり雪から積み重ねた雪で囲まれた。今年神戸の天気が往年より寒くなっている、校務工たちはいやいやながらキャンパスの歩道に積み重ねた雪をかいたが、ほかの校舎の瓦に積んだ雪に対してすでに無力になった。地面や屋上には漂々たる刺すように寒い風に染む込んだ氷雪の湿気を咀嚼する。キャンパスの歩道全体がバサバサした梅と桜の枝で隠されて天然のテントらしくものになった。テントの頂点に白雪が鋼鉄色の枝に乗せて、天意の葬儀と同じように気が沈んだ。

 

早朝七時、南東方面の日差し相変わらず弱いんだ。すべての画像がぼんやりとする。二人の白髪の用務員は竹の梯子を肩に担いてきて、幅一メートル、長さ十メートルほどの巨大な白い幟を講堂の入り口の両側に取り付けます。聞くところによるとあのアイロン色のコートを着て年を取っている用務員が日露戦争を参加したから、旅順で左の太腿が流れ弾に当たられたから肢体不自由人になった。この四年の在校期間には、彼と彼を囲んだ制度たちはいつも日露戦争の物語と述べる様子が見える。彼らは乃木希典大将の愛国情操を講談にするときに激昂、ある時悲憤になった。彼らの講演技術が校長先生と比べれば全然負けていなかった。そもそも彼は乃木大将の侍従兵なんですが、何でもかんでも日露戦争の事と言うばかり、日露戦争というものこそ彼のものになった。多くの生徒たちは彼のせいで一日中で愛国主義の活動に専念することを従事している。入学したから二ヶ月前まで、僕は伊藤佐信の話を聞いたから小野忠雄という古兵は洗脳された脱走兵というものことと分かった。

 

直感的に、まさか彼は逃亡の際に腿が足を断ち切られたから、恥を隠すために、物語をでっち上げて世を欺き名誉を盗むだろう。
 
「森谷坊や、卒業おめでとう!」用務工の松田茂男の口からぽかぽか白い水蒸気を吐きながら、震えている手が僕に向けて振ります。
 
「おやじ、長い間お世話になりました、われわれもうじき別れるでもあっちこっちで忙しがったばんばんやっている、本当に気がすまない。」僕は彼に敬礼をした。
 
「とんでもないこと、やるべき仕事です。」松田も遠慮深いにして答えた。
 
「おい!餓鬼、こんな早い学校へ来るのはなぜ?卒業証書を貰えないと心配しているか?」小野は笑っている、息を切らして笑う声を上がって「ヒッー」と叫ぶ。それから指で幟へ向いて子供の勉強のような一つ一つ文字を高く声で呼び立てる。

 

「祝い 兵庫県立神戸第一中学校第三十七回卒業式」
 
「卒業式会場」
 
雪、老人のよろよろ足取り、白黒の縞模様の木の姿、さらにその上、二条の白地黒文字の幟
 
卒業式会場の幟を掛からなければ、このような環境にいると天然の葬式会場だと思われた。
 
卒業式会場には十八本桜の木で囲まれた大正二年に落成した講堂です。この落成した二十三年に近く建物が、歴史の痕が現れた。その古くて暗い外観に、澄み通るガラスの窓が太陽の光に照られているから、昔の目映さが見えるようです。講堂の壁に漆喰を塗ることについていつ決められたでも分からない。ごく短い休暇期間の後、ガラスの窓を通して中へ見ると、講堂の壁がそもそもまだらのようすからめざらしく一新に見られた。

一人ぽっち講堂の右側の石縁台に座っていた。鞄に置かれた金枠のメガネを持ち出して、今後僕とは関係がなくなった空間をもっとはっきり見えるように覚えたいんだ。年寄りさん二人のひどく騒がしいこだまが僕の耳にひっきりなしに響いていて、これから僕の命の中にはこれらの慣れた嫌がる気持ちを繰り返さないだろう。

七時十五分…次の組の有木一雄と鈴木務は講堂前に来られた。

同組の川田修次や四元公人や鍋田浩二など挨拶にしてから講堂の入り口扉へ行って、加工が完成したばかりの講堂の壁の漆喰作業に指して雑多な意見としゃべっている。 

七時二十七分…松島輝男、平田祐一、佐藤佐信、高橋新太郎など彼らは講堂門前で用務員に開門入場を要求した。外が確かに寒かったから、講堂の門前に一時駅の汽車のように水蒸気を噴出するんだ。一塊の生徒たちは手ぐすひねいて慄いてる。ただし、用務員の小野忠雄は校長先生の命令によって、七時五十分前に開門することが禁じますので、紛々たる苦情が絶えずに起こっていた。

七時四十七分…小野は講堂の入り口に立って、鍵をもって、彼の表情は生意気な役所の警備のようこちょ神氣的こちょして、次々に怨嗟の声もあふれている。

七時五十分…小野はのろのろしてドアを開けのが、人の群れいきなり講堂へ乱入した。

「情けないもんだ、こんな寒さも耐えなきゃ、将来に天皇陛下のために命を投げ出すとは言えるか?おりゃ朝鮮にいった時を思いだす、氷雪の極寒がこちより何倍でも超えた。おりゃ、耐えない耐えないと全然言わんだぞ。君らあほ、砲弾の餌食め、情けない…」と叫んだ。小野の話が誰でも気にしていないほど、どれもこれも命からがら室内へ乱入んして避寒するんだ。僕の視線が彼に向く時に彼の首がコブラのように広げて青筋も震えになり、何かこんなに怒らせる理由が理解できない。

生徒たちは除々から講堂へ入り込んだ。僕は講堂に入ると、昨日でリハーサルしたの指定席へ行って座っていた。三々五々と群れを成す生徒らは挨拶によって騒いで始まった。突然に室内の騒音のボリュームが一分一秒にどんどん大きくなって来たのに、こんな耳に響いている声を記憶させたくないんだ。

なおかつ、壁を刷るばかりペンキが完全に乾かない様態で、況して壁から散発しているロジン油の匂いだけで十分に息詰まっています。それだけではなく出、天井からぶら下げた黒いシリンダーファンがまったく回転されないので、会場にガスルームのにおいがいっぱい貯まれていた。僕とまったく関係ないらしい儀式および言論を加えて、息を殺して会場に現れたすべての阿鼻焦熱を堪える。百人に囲まれた席に座ることいえば、三十七年の歳月を経った建物に決まられた圧迫をできるだけ早く離れるようと望む。僕の視線が結露したガラスを見透かして、枝に積んだ雪から薄弱で絢爛たる朝日を反射して、窓外に触れない微風に伴って婀娜めかしくちらちらとしてひるがえる。

 チャイムが鳴ったから用務員は講堂のドアを閉めました。講堂の内にピアノで赤とんぼという曲がとぎれないように弾かれた。三十七年以来、この講堂のステージに上がり下がりした人物が何人がいるのが分からない、同じの科白も次から次へ引き継ぎされた。この決まられた慣行がこの舞台に登場するときに転換してほしいんですが、差し置かれた僕は今年の最後一回と言われる機会が相変わらず取れなかった。僕の宿命というものがこの一生に爪を隠さなければならないですか。悟るべき僕は依然たる恥知らずに卒業会場の一人に成った。断念するべきの僕は舞台にいる講演者の科白をいかにもこっそりと批判させている。

今年の大学予科試験の合格が取れなければ、カーキ色制服の格好が今日からに終わらせます。昨日、徴兵検査通達書を届いたので、現実的に神経がピンと張り詰めてきます。父親は「帝大予科以外のものはあかん」という見方が変わられなければ、数年後、入隊ということが行わなければいけないことだ、それで満州や台湾や朝鮮へ行くことに対して僕の意志から決められないことになった。いかなる大学の予科に入ると、何年ぐらいのんびり生活が貰えるかもしれない。入隊したらすくなくとも少尉候補生となる。運がよければ、国内で兵役を服すことが可能になると、熾烈な殺気がみなぎっているところに行く必要もないし、さらに掛け声を聞かなくでも構わなかった。

 数日後、東京帝大の入学試験成績通知書が届けますが僕の人生もこの制度によって決まられることになる。いわゆる抜け道を残さぬ人生観が当今の日本社会に遍在している。一旦失敗したら、腹切ほどまでしなければならない境界になった。しかしながら、日本人が全てそのようにやることでもない。これは全くプライドの問題が災いしたのだ、私はこのような傾向が自分で多かれ少なかれ同様にあると承認しますが、長い期間で嘲笑や罵りに無視して生きてつづけると、プライドの問題について賢い人の処世態度を変ることがまったくできません。

 

郵送された入学試験成績通知書が今日の午後に家まで到着するかも知れない。極めて不吉な予感によって僕の安寧をかき乱した。帝大の予科が不可能だという己を知ることがあるので、僕はいつも自身に知らせた。そうでなければ

 

ステージに立ている受賞の人の中に古賀政英一人だけではなく、森谷恵御も居るはずだろう。古賀が少なくとも第一中学校の最優秀の卒業生だから、光栄の全部というものが第二位の人とは関係が無い筈だ。今頃、学校の当局も全国各地の帝大の入学資格情報が分かるべきだと思います。たとえ第一中学校の第二位の卒業生必ずしも帝大の新入生に成る事とは言えない。第二位の私は第一中学の栄誉の中に洒然たる消えたとみなす。

 

やっと夢から覚めたかのよう、なんと自分はこの講堂に一時間ほどおいて、

 

儀式が終わるまでに本分を守れて待ちます。講堂の中に第一中学校の校歌が響いたから、僕も盲従して同窓たちと一緒に立ち上げって、口の呟きが反射動作のように始まった。

 

群生色はむらさきに

 

金波さゆらぐ ちぬの海

 

東おおのを、とうとうと

 

朝日このぼるあけぼのや 希望の光

 

輝ける わが世の春に似たるかな

 ここは男子の中学校である。ここは男子の中学校である。卒業式に観覧する女性がおおよそ生徒の家長ですが、少数の女性が生徒の婚約者の身分として会場に来られた。組の伊藤佐信や鈴木修は各自で婚約をした。彼らの許嫁さんも会場にいる少数の若い女性です。講堂の卒業式が終わった後ほど、観覧の賓客、学校のスタッフと卒業対象学生の担当教師、学校長先生、と来年の卒業予定の後輩たちのみんなは個々の手の中に学校を象徴する校花春蘭を持っているし、後輩たちは講堂から校門までの歩道で列を並びながら校歌を歌って、それから、目の前に来られた先輩の胸に春蘭のコサージュを着けます。私にとってこのような儀式が見栄を張るものだ。われわれの卒業生は先代の影を背負ったらしく、先代から貰った恵みが忘れないように儀式の段取りに様々な伝統として充塞しなければならない。

人ごみに没入された長門理恵の春蘭をもつ姿を発見した。

 去年に父親の決定にしたがって彼女は僕の命の女になることを手配した。父は友人長門謙三と冗談の場合で子供の縁組みを論じたことがある。思いも寄らなく、両家の戸主はこのことについて気にしている、ちんぷんかんぷんで何も分からずに婚約が決まった。反抗することができない情勢下に、黙認しかしかたがない。ずっと彼女とお見合いになるまで、彼女は文才を持つ女子だと幸いなるかなと感じます。

 まだ咲いてない桜の木の下に立ちまして、菩薩の笑み顔のように薄化粧をしてピンク色の振袖を着いて春蘭を持ってやって来ます隊伍の前後に於ける同窓らの表情を推測すると羨望が嫉妬より多いはずだ。彼女へ目配せしたり、僕の視線が前方の同窓の頭の後ろに移しながら、自主ではなく行列と就いてゆっくりと前進します。校門に近く着く時に行列が各自を分けて各自の教室へ引き返し、卒業生も各自の教室に入って、どうにかこうにか卒業式が終わった。

 同窓たちは教室に入ってから、講堂にいるときのように大声で騒ぎ立てる勇気がないのでみんなが黙秘する。卒業式が終わったけれど、教室に戻って卒業証書と卒業アルバムを取らなければいけないというわけなんです。担任教諭の川島先生は左脇に卒業証書の束を挟んで、右の手が相変わらずラタンの教鞭を持って、彼のズボンを軽く叩いて、卒業生の行列の後ろに付込みして直ちに教室にも入り込んで、悠然と演壇に登った。生徒らの目付きは彼の脇下に集中し、彼の右の手に持っている離れがたいような教鞭が、卒業証書と一緒に演台に置いた。彼は授業の前に必ず教鞭で演台の右側を叩くの習慣性があるので、今日さえ例外でもない。ただし、今日の例外のものが演台に2回叩いたからラタンを持ち上げて、同窓たちに

 「このすわえ、今日からべらんめえたちの尻臭いを喰わせないな」としゃべった。

 

このような冗談を言ったけれど、こともあろうに笑う人がいない。彼の人となりについて、生徒たちはもはやがっかりになった。授業中での担任教諭の川島先生が笑うことについて見たことがなかったのに、普段とは打って変わって人に憎ませる虚偽の仮面をかけて、同窓たちの名前を一人ずつ呼び上げ、輪番にして彼の目の前で卒業証書と卒業アルバムを受け取ります。それから、貰い笑いにして何句かの励ました話を話しました。今日の振る舞いが心からなのかも知れないが、すべての人は彼の息子が天皇陛下の賜った銀の腕時計を貰ったことがわかってます、今の笑顔は卒業式から続けて残ったしたり顔だろう。

 「森谷恵御。」川島は卒業証書の上の名前をうっかりと呼びあげる。

「……」やっと私の番になった。気づかぬふりをして、彼に見ていない。

森谷恵御。」

「森谷恵御。」堪忍袋の緒が切れるようだ。

「森谷君!」彼の瞳が玉のように睨み付けて

 「森谷!」彼の仮面がやっと剥かれた。教室で直ちにひとしきり騒ぎを引き起こした。

 「はい。」目的を遂げた僕は気楽と彼のほうにいく。演台に着いたら僕の視線がなんとなく卒業証書へ移動します。彼の中指が証書の隅をもてあそんでいって、しばしばと目じりの余光で僕に睨みつける。急にもてあそびを止めて、何処から覚えた演技を分からないし、どの映画のシーンから真似したプロットのように一息深々と空気を吸い込んで鼻の穴よりしっしっの声を出して、彼の周りに濃厚なタバコの臭いでも嗅ぐことができた。彼は肥厚の両唇を窄めて、僕の顔を見るべき見ないほど証書を僕にそのまま手渡した、こわごわと彼の手から受け取って、無明の怒りを一旦誘発したら、この証書も風の前のちりのように驚くなるんだ。ただし、ものを手に入れてから、彼の怒りが直ちに燃やしを起こるようと期待し、僕の快感もやや引き起こされることができる。ほかならぬずるい彼はすでに私の意図を知り抜いた、相変わらず笑顔を作ってから僕に卒業アルバムを渡してくれた。無表情の僕は洒然たる態度で襟の釦を故意に改めて調えて、悠然として自分の席へ戻った。席に戻れたときに、彼の仮面をはずされるシーンをどうしても再見したいですが、残念ながら、どうやら彼の表情がそれこれを気にしていない、尚且つ先ほどの仮面と比べてもっとがっちりになった。彼は証書とアルバムを配って終わったから教室を離れたまで、僕は窓を通り抜けて彼の赫然たる後姿を見た。

 

現在まで学校の束縛からやっと抜け出したと言えます。僕を除いて、帝大との縁が切れたことについて誰でも分からない筈だろう。日本全体の教育現象と言えば運命が定めた定式である。中学卒で天皇陛下の賜り銀時計を貰えると帝大の入学資格もとらえる。もちろん幾度でも受験したから合格する人もいるが、このような人ならば他人の受け入れことがあまり貰えないだし、いつも人の裏の批判を受け取った。特に私の父が最もこの種の人を軽蔑し

 

「ちゃんと一回やるぜ!どんな頑張ったのと言わないでください。わしならこれまでだらだらとやったことはない。失敗したら二回目にもやらない、第2回はまた失敗したら、人に笑いものにさせたのですか。人間の身の上と言えば、負けじ魂を持つ必ずしも成功にならないんだ。」といつも密かに言ってる

 

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